2017年、三角寺から地蔵峠を越えて仙龍寺へ至る遍路道が国史跡に指定されました。この遍路道の名称は『三角寺奥之院道』です。ここで言う奥之院とは三角寺奥之院『仙龍寺』のことで、三角寺に大師堂が無かった時代、仙龍寺が三角寺の大師堂であったため、お遍路さんは三角寺と仙龍寺を結ぶ三角寺奥之院道を歩いていました。三角寺に大師堂が建てられたのは四国遍路の父として有名な真念が没した後ですが、その後も仙龍寺を訪れるお遍路さんは後を絶たず、仙龍寺は絶大な人気を誇りました。そんな三角寺奥之院道を歩いてみましょう。


三角寺奥之院道の起点は本堂の前です。厳密に言えば、中務茂兵衛の標石が指し示す方へ進み、三角寺の境内の隅に建つ標石が起点です。三角寺を出発して階段を上り、市道を横切ります。市民の森と表記された道標に従って階段を上り、坂を上って行くと石垣の角に地蔵丁石が建っています。石垣に沿って上り標石を通過すると左側が開けて景色が広がります。その後、林道に入ります。

丁石が建ち並ぶ林道は緩急を繰り返しながら幾つかの沢を渡り、地蔵峠へと上って行きます。

市道堀切翠羽峰線を横切りさらに林道を上り、市民の森の道に入って左へ進み、右にカーブすると地蔵峠に到着します。

標高756mに位置する地蔵峠には地蔵尊と丁石、標石が建ち並び、独特の空気感を醸し出しています。